田中正造翁の和歌四首

明治三十一年

世をいとひ
そしりをいミて
何かせん
身をすてゝこそ
たのしかりけれ


明治三十五年

飢に泣く
民のなみだの
露ほども
実りもやらず
秋ハいぬめり


明治三十五年

毒流す
わるさやめずバ
我止まず
渡らせ利ねに
血を流すとも


明治三十五年

あどけなき
おのが心を
たどりつゝ
神の教の
まゝを其まゝ